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1994年頃から、スピリチュアル・アーティストとして、

様々な仕事や問い合わせが舞い込むようになってきました。



全く宣伝も営業も売り込みもしていないのに・・・。


というか、当時は、宣伝や営業しようにも、
その方法は簡単ではありません。


今みたいにFBでUPする、なんてこと想像もできない頃ですから。

それでも、探し出してでも問い合わせが来るのですから、

時流に乗るとは凄いことです~。







私は、
1987年からアパレルの仕事を独自で立ち上げ、
イラストやロゴ・デザインに携わっていましたが、
それらの仕事のインスピレーションも実は、
体外離脱体験【
Out of Body ExperienceOBE)】 がベースとしてありました。

そのせいか、最初そのデザインを発表したときは、異彩を放ち、

「ぶっ飛んでいる!」

とでもいうのでしょうか、すぐには受け入れてもらえなかったのです。



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私は、
OBE体験下で感じた、ある精神の境地みたいなものを求め続けていたのですが、
二十歳の頃始めたサーフィンをしている時に、
それに類した感覚が蘇ったことがあり、
サーフィンなどのスポーツに意識変容の可能性があるのではないか?
と感じ始めていました。



そこで、それらのメッセージをデザインに託して
アパレルというカタチで発信したらおもしろい!と、
思い立ったのでした。
お蔭様で、このブランドは大ヒットしましたが、

ただ、アパレルという世界での表現ということで、
作品表現には、かなりの制約があったことは確かです。





そこで、
1990年から、何の制約もなく、
ビジョンを絵画として再現しようと思い立ち、

見よう見まねでキャンバスを張り、油絵を描き始めたのです。

最初は、誰も見向きもしませんでした。



しかし、黙々と絵を描き続けて
3年ほどで、
前述した出会いや、スピリチュアルブームの流れのお蔭で、
徐々に注目を集め始めることが出来たのです。



遠方から絵が見たいと、わざわざ足を運んで観に来てくださる方も増え、

絵を観ながら、私の体外離脱体験を語るのは非常に楽しく充実した時間でした。



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そんなある時、TVの製作会社から電話があり、
TV番組で私の絵を取り上げたいという話を頂きました。



「とうとうTVまで来たか~!」

と、未知なる世界に、ワクワクドキドキしたものです。







しかし、
1995年のあの日を境に、それらの流れは、
糸が切れたようにプッツリと途絶えました。


頻繁にあったTV制作会社のデレクターさんからの電話も一切途絶えました。


特集を組んでいただき、懇意にしていた人気のスピリチュアル系の雑誌も
やがて廃刊となりました。



そして、今まで高評価を頂いていたはずの作品は、

「怪しい~!」

と言われて見向きもされなくなりました。









振り返れば、1995年は印象的な年でした。



まず、1995年が明けるとすぐに阪神大震災が起きました。117日のことです。

そして、オウム真理教の地下鉄サリン事件が320日に起きます。



今、こうして時系列で見てみると、
オウムの終末思想である「ハルマゲドン思想」に阪神大震災は
大きく影響を与えたのではないか?と推察できます。



大震災が教祖のハルマゲドンの予言をバックアップする形に働いたと感じるのです。


オウム信者たちは、
大震災を、教祖の予言のハルマゲドンの序章として
重ね合わせていたのではないでしょうか。





大震災という圧倒的な自然の猛威に社会全体が動揺していたドサクサ紛れに、

オウムは夢遊病者のように凶行に突き進んでいきました。





自然の猛威に対峙したとき感じる無力感・・・。

そういう空気が一瞬流れたことは確かです。

この、「世間の空気」というものに普通、
ヒトは大きく影響されます。



自分自身でも分からぬままに流されて、
気が付くと本心とは全く違った行動に染まっているということがよくあります。





オウムでは、

「修行するぞ!」「修行するぞ!」

と信者たちは、修行に励んでいたはずです。


いったい彼らは、何の修行をしていたのか?
何故なら、修行者達こそ、このような空気に流されることなく、
自らの思考を整えて均整を保たねばなりません。





1995
年の出来事の中で、もう一つ、
「ウィンドウズ95の発売」
が大きく印象に残っています。

日本での発売開始は11月だったかな? 


以前の使い勝手の悪いパソコンから、かなり使いやすくなって、

パソコンは急激に普及しはじめます。



バブル経済のカウンターカルチャーとして生じた精神世界の興隆。


物質主義への嫌悪や退屈から精神世界へと流れた意識の流れを破壊したのは、

オウムの地下鉄サリン事件だけではなかった。



大震災の圧倒的な自然の猛威によって破壊された物質。

それによって物質の虚しさは露見したが、
物質がことごとく破壊された廃墟を観て、
物質に退屈し飽食から芽生えた精神世界への憧憬は、
復興、復活という人間のサバイバル本能が立ち上がると同時に、

一瞬にして物質への新たな要求へと切り替わったのだと思います。





その物質世界の反撃のファンファーレのように
ローリングストーンズの
Start Me UpがTV画面から流れ、
まるで何でも出来る魔法の箱のようにウィンドウズ95がデビューします。



今までの家電とは異なるのは、
それが事実上のインターネットの幕開けとなり、
全てのマテリアルがその牙城に取り込まれていくことになるからです。



物質に対する嫌悪や退屈、そのような次元を超えた、

「メガ・マテリアル時代」


が到来したのです。



ここから、事実上、人は物質に対して、
嫌いとか好きのレベルで選択する自由さえも失っていくのです・・・。